トップページ>世はまさに「大創作時代」すべての創造主たちのバイブルに! より面白くて、深い名作を生み出す為の『場面設定類語辞典』ロングインタビュー【第2回】
ごきげんノベルス
前回に引き続き、
『場面設定類語辞典』を出版しているフィルムアート社様のインタビューです。
第1回はこちらから→第1回

今回は『場面設定類語辞典』の読者層のお話と、ユニークな使い方、そして超必見の付録!
創り手だけでなく、編集者にも是非とも読んでいただきたいところです。
それでは、スタートです。

『場面設定類語辞典』はどんな人が読んでいるの?


『場面設定類語辞典』

千葉さん
弊社は従来小説家、脚本家、漫画家、俳優向けの本を多く刊行しているのですが、この『類語辞典』シリーズは十代~三十代くらいの若い方達で、同人作家さんや、趣味で創作をしている方が読者層の多くを占めています。
モデルさんやライターの方、読んでいるだけで面白い、楽しいと言ってくださる方も多いです。
また、「テーブルトークRPG」という設定に添って一人ひとりがキャラクターを演じ、一つの物語を作る、という遊びがあるのですが、
その場でこの『場面設定類語辞典』のページをランダムに開いて、「今日はこの設定でやろう」という使い方をしてくれる方もいらっしゃいます。

妄想もはかどるぞ!

千葉さん
アニメやマンガで好きなキャラクターがいるなら、
その設定にキャラクターを当てはめたときどんな行動をするか、という「妄想」して楽しむ、という方もいらっしゃいます。
『感情類語辞典』を出した時にも聞いて面白いなと思ったのですが、パッとページを開いて、今日は好きなキャラクターにこの感情を当てはめてみよう。今日は「屈辱」を味あわせよう、って。


――面白い使い方ですね!


千葉さん

その時、キャラはどんな反応をするだろうかと考えると楽しい!と(笑)
例えば「屈辱」だったらどんな顔をするか、「羨望」だったらキャラクターは何に対して羨望の眼差しを向けるのだろうか……というのを考える。
妄想するときって、恐らく、自分の体験と見たものをベースにするしかない。
なので、そこから発展させるという意味ではすごく使えるのかなと思います。

編集者にも読んでもらいたい!


――五感もそうですし、この描写をすることによって今後の不穏さを出す、とか、場面そのものではなく「場面の雰囲気が伝えるもの」っていうのがあると書いてあって、自分は、編集としてそこまで考えていただろうかって反省するきっかけをいただきました。
森の描写でも、森を昼にするのか夜にするのかで流れが変わってきますし、逆に言うと、暗い森を彷徨っているのに、そのあと明るい展開になると確かに読み手として一瞬の違和感があるというか。
その「なんか違う」を的確に言語化して相手に伝える為のヒントをくれました。


千葉さん

そうですね。普段から編集をされている方々にとっても、著者の方などにアドバイスする時などに使えると思います。


――「なんか違う」とか「ここはもうちょっとアツく!」とか曖昧なこと言っていてはダメですね。

今の描写に何が足りていないのか、まずは丸パクリでも、やるだけで変わりそう。


千葉さん

変わると思います。まずは、辞典の内容をパクるところから始める、で全然問題なくて。
そのあとから自分なりのアレンジを少しずつ加えていければよいのではないでしょうか。

付録について


付録のページ

――なにが足りていないか、自分でも確認出来るチェックシートが付録になっているんですよね! 使い方を教えてください。

千葉さん

自分で作品を作っていく中で場面の描写は必ず設定しなくてはならないので、その時にこのチェックシートに基づいて、五感では何が表現出来るか書き出して考えられるようになっています。
これを作品ごとに使っていただいたら練習の一環になりますし、徐々にクオリティも上がるかなと。
やっぱり書き始めやスランプの時はその辺りが悩むところだと思うんです。自分の壁にぶち当たる瞬間と言いますか。
でもこのツールを要所で使っていただいて、立ち返る機会を意識的に設けていただけたらと思います。

その付録が、巻末についているのですが、
これだけ分厚い本だとまず開きづらいし、やはり紙なので一回使ったらおしまいになってしまうと思ったので、発売前にWEBで無料公開させていただきました。
PDFになっていまして、この本を買っている人、買っていない人誰でもDLできるようになっているので、ご自身の創作活動にどんどん使っていただきたいです。

付録公開されているURLはこちら。

http://filmart.co.jp/wp-fa/wp-content/uploads/2017/04/1682843a0ee261c760a751f80f4a97d3.pdf



編集者としてもビシビシ身につまされる『場面設定類語辞典』
だからこそ読んでよりよい作品作りの糧にしていきたいですね。

本日はここまで。
次回の更新で続きをアップさせていただきます。