トップページ>世はまさに「大創作時代」すべての創造主たちのバイブルに! より面白くて、深い名作を生み出す為の『場面設定類語辞典』ロングインタビュー【第1回】
ごきげんノベルス
電子書籍をもっと身近に。
多様な作品をもっと気軽に。好奇心の赴くままに。

そんな思いで今年4月から創刊した「ごきげんレーベル」ですが、
本を出版して皆さんにお届けするだけでなく、本作りに携わる人達の情熱も伝えていきたい!
そう思い、不定期ではありますが独自インタビューをすることになりました。
随時サイトにアップロードしていきたいと思いますので、少しでも皆さんの心の栄養になりましたら嬉しいです。


インタビュー第1回目は
『場面設定類語辞典』を出版しているフィルムアート社様。

ヒット中のクリエイター向け辞典『場面設定類語辞典』。
今年5月10日のとあるツイートをきっかけに瞬く間に拡散、それに比例してストアのランキングもどんどんあがり、書店では品切れが続出。
当時の事をフィルムアート社営業部の千葉さんに聞いてみました。

インタビュー開始です!


――早速ですが、発端は一般の方のツイート。それが6万リツイートに伸びたのですよね。

千葉さん
尋常じゃなかったですね。企業で6万リツイートって狙ってもかなり難しいですから。
このツイートがあったのが5月の10日22時頃だったのですが、次の瞬間には本がネットストアのランキングにのっていたんです。
1時間ごとに更新すると、その度にランキングもどんどん上っていって。ドキドキしてました。

場面設定類語辞典ってどんな本?



『場面設定類語辞典』


千葉さん
簡単に言うと、「物語を作る人」に向けた設定の辞典です。
「刑務所の独房」「豪邸」など、自分達は行ったことないような、映画で出てくるような光景を「五感」という観点から説明してくれています。
視覚的に見えるものと聞こえるもの、匂い、味、質感などですね。
併せて、その設定で起こる展開というのもパターンとして挙げています。
この本は実はシリーズの4冊目に当たる本で、この本の以前に『感情類語辞典』『性格類語辞典ポジティブ編・ネガティブ編』という辞典を出版しています。


『感情類語辞典』


『性格類語辞典 ポジティブ編』


『性格類語辞典 ネガティブ編』


――元は海外で出版されている本なんですよね?

千葉さん
そうです。正直弊社としても、元が日本の書籍ではないので、最初はここまでの共感が得られるとは思っていませんでした。
『感情類語辞典』や『性格類語辞典』で取り上げている人間の感情や所作については、海外の本であっても共通するというか、
皆さん「ああ、あるある!」と感じてくださるかなとは思ったのですが。
本当のところ、「場面設定」って少しマニアックかな? と。

場面設定類語辞典の役割とは



フィルムアート社 千葉さん

千葉さん
項目を見ていただくと分かるのですが、あまり日本的ではない場面もあるんですよね。
どんな本にも賛否両論はつきものなのですが、本書の場合「著者が北米の人だから、実際この本を買って使おうと思ってもそのままは使えない」と言う方もいました。
確かにそのとおりなのですが、
この本の役割は自分なりの表現、自分なりの作品を作るための「補助資料」と思って頂ければ幸いです。
最初は本書に沿ってどんどん世界を広げて頂きたいのですが、それでも同じような内容に偏ってくる。
自分の作品を続けて読んでほしいのに、読み手がそれでは飽きがちになってしまいます。


――「はじめに」にズバリ書いてありますよね。

千葉さん
そうですね。このシリーズはどれも「はじめに」部分があるですが、皆さん真っ先に反省する箇所ですね(笑)。
要は、キャラクターに感情を持たせるとき、性格に沿った動きをさせるとき、場面設定をどうするかというときに、
「あなたどこまで考えてるの?」
「同じような設定で同じような小説を書いてちゃダメよ!」
っていうのをストレートに言ってくるんです。


――耳が痛いです……。

千葉さん
そうですよね、心にグサグサ刺さる指摘ですが(笑)、
でもだからこそ「はじめに」部分の評判はすごく良いですね。


ギクリとすることが書いてあるぞ!でも読んで考えるとその分成長できる。

今回帯を書いてくださったライターの武田砂鉄さんも、『紋切り型社会』(朝日出版社)の中で同じようなことを仰っています。
「SNS等で自由に発信できる時代に、発する言葉がみんな偏りがちになっている」という指摘です。
流行りの言い回しや表現につられることってありますよね。それこそSNSや某匿名掲示板で流行っている言葉が、いつの間にか日常でも使われるようになったり。
凝り固まった言葉から社会にメスを入れる、というのがその本の中にあって共感しました。
シリーズ第1弾の『感情類語辞典』が出た時も、朝日新聞で書評を書いてくださったんです。
そういうこともあり、今回帯をご依頼させていただきました。


『紋切型社会 ――言葉で固まる現代を解きほぐす』



本日はここまで。
次回の更新で続きをアップさせていただきます。

なお、
「類語辞典シリーズの特集ページ」がフィルムアート社さんのサイトで公開中!
こちらも要チェックです♪