トップページ>世はまさに「大創作時代」すべての創造主たちのバイブルに! より面白くて、深い名作を生み出す為の『場面設定類語辞典』ロングインタビュー【第3回】
ごきげんノベルス
前回に引き続き、
『場面設定類語辞典』を出版しているフィルムアート社様のインタビューです。
第1回はこちらから→第1回
第2回はこちらから→第2回

今回はSNSを活用した書籍販促の今後について。
今回のように、SNSを通じて新しい本と出会う機会は今後も多くなると思います。
その一端に触れてみました。
それでは、スタートです。

SNSの可能性について


――この付録についてtweetしたところ、数日で一気に色んな人がリツイートやお気に入りに登録してくださったんです。まだツイッター歴も浅いし、フォロワーの方も少ない弊社だったので、びっくりしました。



千葉さん:
前述の『感情類語辞典』もtwitterで大きく伸びた本でした。
国語辞典編纂者で『三省堂国語辞典』編集委員の飯間浩明さんが紹介してくださいました。弊社の『感情類語辞典』は2015年12月に刊行されたのですが、その際推薦文をお願いして、発売されますと告知してくださいました。
飯間さんの連続tweetが伸び、その後年明けに読者の方のアンテナに引っかかったのか、一般の読者の方々に大きく広まりました。
『感情類語辞典』も広告はほとんど出していなかったので、その時も何気ない感想のつぶやきの連鎖でそこまで行けるっていうのが、すごいなって驚きました。
そしてそれから1年半経って、『場面設定類語辞典』で同じ現象が起きて、より感じたというか。


――twitterがトリガーになったと。

千葉さん:
そうですね。『場面設定類語辞典』が1位になった時言われたのですが、
「もしかしたら、新しい本の売り方のモデルケースになるかもしれない」というお言葉を頂きました。
確かに、twitterでバズることはあっても、それでランキング1位まで登るっていうのは、そうないことですよね。ましてや1冊3,000円の、ニッチな本ですので……。
普通にtweetするだけでは、自社のフォロワーとその先くらいまでしか行けない。その先の先というのは難しいですよね。
なので、最近は誰かの感性に引っかかって、まずは見てもらえるようにしようと考えています。
「本」というコンテンツをどう売っていこうかなと。
多分皆さんも考えていることだとは思うのですが。


――芸能人であるかに関わらずそういうきっかけを起こしてくれるっていうのは、未知の可能性を感じます。

千葉さん:
本当に、そうですね。
なかなかこれが正解!というものは断言できないですけど(笑)


――「他に何出版してるんだろう?」と興味を持ってもらえるきっかけにもなりますね。御社のWEBサイトのバナーに「物語やキャラクター創作役立つ23冊」があると思いますが、そこからまた違う本が欲しくなったりします。

千葉さん:
そうですね。見ていただけると嬉しいなと思います。

売り方で意識している事とは?


――「物語やキャラクター創作役立つ23冊」のページを見て『新しい主人公の作り方』と『脳が読みたくなるストーリーの書き方』が欲しくなりました!
「これを読めば、最高の傑作がかけるんではないか……。これで私もヒットメーカーや」
みたいな、そんな邪な守銭奴みたいな考えが浮かびまして……。


フィルムアート社WEBサイトにあるバナー。思わず押しちゃう。



千葉さん:
2016年の10月に弊社が作ったページなのですが、こちらは元々書店と連動して始めた企画です。
弊社の本は書店の芸術書や映画書担当の方にはある程度は知っていただけていると感じているのですが、内容の細かい違いは明確にはわからないと思うのです。
色々な本を出していますが、それぞれどんな特色があって、どれが初心者向けでどれが中級者、上級者向けか、区別つかないよなぁと。
そして、それは恐らく多くのお客様にとっても同じだろうなと。
例えば、これから何か書こうと思った方が、自分にとって必要な本はどれだろう?と思った時、正直どれが一番良いのかがわからない。
なので、これまで弊社で出版してきた本を23冊集めて、カテゴライズをしてみました。
難易度と、その下にジョークっぽいですが「~~が書けるようになる度」というのをつけて。



一儲けしたい度☆5!!


――書店と連動というのは?

千葉さん:
新刊で脚本家向けの本がでるタイミングに合わせて、やりませんかと書店さんにお話させていただきました。時期をずらしながら、全国約30店舗にご協力いただきました。
該当店舗で小冊子と書籍すべてにPOPを付け、「カチンコ」(「よーい!アクション!」とやる時のアレです)を購入し一緒に飾ってもらうことで雰囲気を出したり。
そうして展開したら、思いの外反響をいただいて……。一ヶ月で300冊以上売ってくださった書店さんもありました。


――すごい!

千葉さん:
もともと売れる店舗さんだったのもありますが、フェアをやることで、これを機会に買おうと思ってくださる方も多かったようです。
特徴的だったのが、1冊だけでなく、まとめて3,4冊買ってく方が少なくなかった。
自分に何が足りないか、という課題で1冊、何を伸ばしたいかという意欲でもう1冊、
資料になりそうな本も買っとこう、ということだと思います。
弊社はハリウッド式の脚本術で主流となっているシド・フィールドさんという方と、『SAVE THE CAT』のブレイク・スナイダーさんという2つのシリーズを刊行しています。この辺りの本はストーリー創作術を学びたい方に買っていただくことが多いのですが、ライトノベルや二次創作で書かれている方々のお手元には届けたりていないのでは…と感じていました。今回のフェアでは、そういったところへの手応えを得ることが出来ました。



SNSが浸透して、「ヒット作はみんなの力で生み出すのかも」ということでした。
ゆるい繋がりを通して、求めている人に情報が届くのはとても嬉しいことです。
本日はここまで。
次回の更新で続きをアップさせていただきます。